ヒビカラカラ

紅い花びら


紅い花びら



風が吹いた その一瞬
−本当− が目の前を通った


それは ほんの一瞬で
手を伸ばしたけれど届かなくて


立ち止まって振り返ると
−本当− はずっと向こうの方にあって


あぁ やっぱりわたしは
−本当− には触れることができないのだと

そう思ったら可笑しくて笑った


目の前には −本当− ではなく
紅い花びらが零れていて


あぁ まだ生きていくんだなって
そう思ったら また可笑しくて笑った


笑ったんだ




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