
蜘蛛は苦手 苦手なのにね
撮った時 この蜘蛛は何をしていただろう
もう覚えていない
今 自分は何をしようとしているのだろう
もう覚えていない
ただ 絡まるだけ
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なぜか少し寒くて
外ではないのに寒くて
氷はなかなか溶けなかった
温かな飲み物を口にしながら
溶けない氷を見ていた
時々は前を見ながら
溶けるまで立ちたくないな
なんて思ってたこと
絶対に言わない
絶対に言わないから
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淡く光る波の道
一緒に向こうへゆきましょう
どちらかひとりが沈んでも
手を差し出してはいけないの
それでも やっぱりゆくのでしょう
これもひとつの想いのカタチ
冷たくやさしい想いのカタチ
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私は椅子に座り手紙を書いていた
あなたは向かいに座り本を読む
”ここは何処だっただろう”
問いかける私に
”何処だって同じだから”
答えるあなた
そんな夢をみた 月と波が揺れる場所
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真上を見上げると
あまりの高さにクラクラする
高くて 高くて
笑っちゃうくらいに高くて
枝間から見える空は凛として
深呼吸をせずにはいられない
生きている街の空気を堪能したら
あなたの逞しさの理由が
少しだけわかったような気がした

確かめたいと思ったの
指先に触れる その皮膚は
温かいの? 冷たいの?
陽に透けた この樹の血管のように
照らされた その皮膚に流れるもの
別に欲しいわけじゃない
心でもなく 言葉でもなく
ただ あなたの温度だけを
確かめたいと思ったの
******
「手を伸ばして」
Kotona*kan vol.5(photo by yuki/text by hayano)

聴こえるだけじゃなく
見えることもあるんだよ
そんなわけないって
きっと 笑うだろうけれど
知ってるの
あの時 私の声が見えたでしょう
だって
そんな顔をしていたもの
優しい顔をしていたもの
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夕暮れが 不安だったわけじゃない
沈んだ顔をしていたのは
もうすぐ 夜が来ることがわかっていたから
遠い記憶の中の風景のような この駅で
このまま 横に並んだまま
時間が止まったらいいのにと 思っていたから
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